【祝10回!】コンシャス・アンコンシャスダブルバインド
さて、今回は祝10回記念ということで、いままでの流れをぶったぎって、当ブログ「ジェットスリッパーズ!」についての寄り道的小話をしていきたいと思います。
Q. ジェットスリッパーズ!とは?
話自体はあまりうまくはないけれどやたら情熱的に心理学の話をしてくれる、でおなじみカウンセラー・石井裕之氏の著書『ダメな自分を救う本』に、スリッパの話が書いてありまして。ニートな自分の息子をなんとかしてほしい、という親御さんの相談を受けて石井さんが本人と面談した際、「自分を変えるために、なんでもいいから、どれだけ小さくてもいいから自分ができることをひとつ決めて、毎日続けてほしい」という話を本人にしたそうです。
その息子さんからでてくる「〇〇をする」というアイディアをまえに、石井さんは「本当に毎日できる?どんなに疲れてやる気が1ミリも起こらない日でも、できる?」と聞きます。男性が最終的に選んだのが、「毎日スリッパを揃える」ということだったそう。
毎日スリッパを「石井さんとの約束だから」とかたくなに揃える息子に不安を覚えたのか、石井さんは親御さんに怒られたそうです。「大の大人をバカにしているのか」と。結果的に息子さんは2か月で正社員の職を得ることになり、親御さんからも感謝されたと石井さんは自著に書いています。
ジェットスリッパーズ!は、その話に感動した望月が、スリッパひとつで人生を加速させる技術をまとめ、それを共有するコミュニティを立ち上げることを目的に設立したブログであります。
さて、石井さんのスリッパ話のなかにはいくつかポイントがあります。
ひとつ。近しい関係の人間はほとんどの場合、目標達成を妨害するということ。
このお話の中で、親御さんは息子さんに「べつにそんな下らないことしなくていいんじゃないか」と言葉をかけています。これは、親御さんのRASにとって、それがどれだけ不安になることであっても、息子さんがニートのままでいてくれたほうが、その不安が日常化している親御さんにとっては楽だからです。昨日までの世界を死守するためなら、RASさんは手段を選びません。
ふたつ。スリッパは社会復帰とはまったく関係がないということ。
石井さんが息子さんにスリッパを直させたのは、「コンシャス・アンコンシャスダブルバインド」を活用した療法のひとつであるといえます。難しく聞こえますが、これはいわゆるジンクスのことです。長いのでジンクス法とでも呼びましょう。
ジンクス法では、「スリッパを直す」という「自分でできること」と「社会的な自信を取り戻す」という「できなさそうなこと」を結びつけます。右足から玄関を出る、試合の前にカツを食べる、神社に毎日行く、目標に結び付けるジンクスは何でもよいです。いちど目標とジンクスが感情的に結びつくと、スリッパを直すたびに自信がつくようになります。
余談ですが、ジンクス法は他人への声掛けとしてとても有効です。
たとえば、とても動転して取り乱している友人に、あなたはなんと声をかけますか?
「ちょっと落ち着こう、ね。まずお茶でも飲んで、それから話を聞かせて?」
これもまたジンクス法です。この場合は「いますぐ冷静になる」という「自分では制御できないこと」に「お茶を飲む」という「できること」を結びつけています。深呼吸でもいいですし、自分の言葉を繰り返させてもよいでしょう。ジンクスはなんでもよいのです。
さて、肝心かなめの体験(記憶)と感情の結び付け方は…説明しだすと長くなってしまうので、順を追ってブログや冷やしコーチ会で解説していきます。
どうぞお楽しみに^^
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